SAPIENS TOP NOTE 時代を“生き抜く”
決して後戻りすることのない社会の仕組みの変化が起きている
この文章を書いている今日(11月1日)、福岡県の新型ウイルス感染者は実に7名。ついに一桁まで下がった。全国的なコロナ感染の第5波が去り緊急事態宣言も解除され、人流は増え、夜の街も賑やかになってきた。しかし、メディアは「第6波」への警鐘をならし、専門家のさまざまな予想を発信している。第6波がどれくらいの規模でくるのか? 経口治療薬が出れば安心なのか? そしてこの本を皆さんがこの文章を読まれている時、果たしてどのような状況なのか?
わからない。
誰も正確な予想なんてできないのだと、この1年8ヶ月でイヤというほど思い知った。ウイルスに翻弄される中で、世の中は大きく変化した。働き方、会社のあり方、上司との関係、買い物の仕方、娯楽の種類など、普通に暮らしていても多くの変化を見聞きしたり体験したりする。そして、たとえコロナがおさまり人々の生活の多くが、以前の状態に近づいて行ったとしても、決して後戻りすることのない社会の仕組みの変化が起きていることは、皆さんも強く感じられているのではないだろうか。とくにあらゆるビジネス環境においては、最終的に何が正解かなんて誰もわからないとしても、旧態依然のままでは、確実に厳しい時代になっていくのは間違いないと思う。
本当の意味で「本質的な自分」に向き合う時代が来た
では、この変化によってもたらされた、最も大きなことはなんだったのか? それは、人々が「気づいてしまった」ことだと思う。無駄な通勤、無駄な会議、意味の無い社内手続き、必要ない上司。「なくても成立するじゃん」がたくさんあったことに。逆に「本当に大切なこと」「もっと早くからそうすべきだったこと」に気づかされる機会にもなった。
ハードリセットと言われる大きな機会を得て、人々はより人間らしい仕事や生き方に向かい、自分と向き合い、自分について考えることができるきっかけとなった。本当の意味で「本質的な自分」に向き合う時代が来たと思う。
コテコテの昭和生まれの僕は、電化製品やコンピューターの「新製品」で利便性が変化する体験はたくさんしてきたけど、社会の仕組みは「こんなものなのだ」と諦めていた。しかし気がつけば「こんなものなのだ」と思っていた社会の仕組みが、突然大転換するすごい時代がやってきた。少なくとも、僕が生まれてこんな体験は初めてだ。
そんな誰も予測できない時代を、我々は生き抜かなくてはならない。“生き抜く”というと、コロナ禍以前なら他を蹴落すという「競争」的なイメージが強かったが、これからは自分たちの使命や存在意義を明確にし、自らの価値観や世界観の中で、新しい生き方を切り拓くこと。つまり、いかに強固なオリジナリティを確立し、貫いていけるか? が、時代を生き抜くための重要なテーマになると思う。
大激変の世界を生き抜く“サピエンス”にフィーチャーするメディアを
我々は、福岡から新たに発信するメディアで時代に向き合いたいと思う。メディアの名前は「SAPIENS(サピエンス)」。約3万年前「認知革命」と言われる変化を起こし「ネアンデルタール人」を退けて、地球上の主役となった、我々「ホモ・サピエンス」からネーミングした。この大激変の世界を生き抜く“サピエンス=知性あるもの者”を独自にフィーチャーするメディアを通して、多くの志ある人たちがつながるプラットフォームになれば幸いです。
次の時代を、希望の未来にするために。
今を生き抜く、あなたに届けます。
SAPIENS編集長 小柳 俊郎