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SAPIENS TALK Vol.9 佐藤 慎介 (NO COFFEE)(3/5) 「怒涛のコラボレーション」

怒涛のコラボレーション

 

小柳:そして、ここから怒涛のコラボが始まったわけですが、KYNE(キネ)さんは、いま絵を買おうとしたら、とんでもない金額ですよね。

佐藤:KYNE(キネ)さんは、本当にすごいことになりましたね。2016年は、もう結構売れ始めてきてる時だったんですよ。スケボーデッキをやったのはうちの3周年の時で、抽選も出来なかったから、お店にめちゃくちゃ人が並んだんです。「並んでいただいても、そんなに数がありませんけど」って本当に気まずくなるぐらいでしたね。それぐらいすごかったです。KYNE(キネ)さんはうちの1年目の時に、お店で個展をやったんですよ。それこそ、その時にうちで1万5,000円ぐらいで売っていたものが、2年前ぐらいにオークションに出てて、びっくりするような値段になっていました。

小柳:KYNEさんとの出会いは、誰かのご紹介だったんですか。

佐藤:そうです。そもそもKYNEさんは、うちのお店の上にいたんです。あのビルの中でアトリエがシェアされていて、だから、よく来てくれていたんです。

小柳:すごいですね。いろんなコラボをされていて、毎年羨ましいなと思って見ているんですけど。「NO COFFEE」を着て、モデルさんたちが毎回自分でスタイリングするっていう企画もされていますよね。

佐藤:そうです。「FIRSTORDER (ファーストオーダー) 」っていうのが、クリエイティブチームみたいな感じで。岡田考功氏は、元々僕の同僚なんですけど、彼がアートディレクターをやっていて、芸能に強くて。デザインをして、キャスティングまでしてくれて。それで1年に1回ぐらいのペースでやろうっていってやっています。結局、うちって福岡発じゃないですか。メディアって東京発のものが多くて、なかなか福岡で発信しても取り上げてもらえないんですよね。例えばyahooニュースとかも、そうなんですけど。ただ、これを絡めることによって、大体載るんですよね。だからプロモーション的な感じでやっています。

小柳:だから毎年継続されていたんですね。メディア戦略としてコラボレーションしていたってことですよね。

佐藤:やっぱり分かりやすいので。「面白くない」とか「そんなのやるんだ」っていう人はもちろんいるんですけど、それはそれでいいとして「面白いね」って思ってもらえる方が多ければ、僕はいいと思っているので。

小柳:それで皆さんご存知「FIDES」さんともコラボされていましたよね。小林さんとは、昔から仲が良かったんですか。

佐藤:プロのJリーガーだった時から知っていて。東京の共通の知り合いがいて、僕もまだお店をオープンする前だったんですけど、こっちに移住してきたばっかりの時に一緒にご飯行ったのがきっかけで、そこからの付き合いです。

小柳:この時に初めて「NO」がカテゴリーにつくわけですよね。今まで「NO COFFEE」のデザインを変えてというのはあったんですけど「NO SOCCER」になっていて。「NO FIDES」じゃなくて「NO SOCCER」にした理由って、何かあるんですか。

佐藤:普通にやると「NO FIDES」な感じなんですけど、小林さんは元々サッカー選手なんだけど、サッカー寄りのアイテムを出していなかったんですよ。

ちょっとサッカー寄りの方がいいんじゃないですかっていう話をして「だったら、もうNO SOCCERにしましょうよ」って感じで。

小柳:「NO SOCCER」は「FIDES」しかないですもんね。

佐藤:そうですね。基本的に僕は「NO SOCCER」も「NO GOLF」もそうですけど、作ったワードは他のところでは使わないようにしています。

小柳:だから「NO SOCCER」になったんですね。こうやってカルチャーブランドとか地元のブランドとかやっている中でびっくりしたのが「GLOBAL WORK」さんなんですけど。

「GLOBAL WORK」さんって、もう200店舗もあるすごい大きなところじゃないですか。これまでカルチャーブランドだったけどすごいマスブランドと組んで、しかも5弾までされていて。これをやろうと言われた時、迷いはなかったですか。

佐藤:最初は僕も「GLOBAL WORK」を買ったことも、お店にも行ったこともなかったんですけど。元々「GLOBAL WORK」の企画をやっている人が、僕の元同僚なんですよ。で、上司から「話して」って言われたそうで話をもらって。

当時、結構要望も頂いていたので子供服をやりたかったんです。だけど自社で子供服をやるって、なかなかリスクが高くて。と思ったら、「GLOBAL WORK」がやっていたので「子供服もやれるんだったらやりたいです」っていう話から入って、親子コーデができるようなデザインでやり始めて。 こんなにマス向けなブランドとやること自体がなかったので、もちろんこれに関しては賛否両論ありました。それこそ僕が「岩田屋」さんで立っていた時にお客さんから「なんでGLOBAL WORKとコラボしたんですか。ブランドの価値下げたいんですか」って言われて。

小柳:直接言われたんですか。

佐藤:そんなこと直接言うんだとびっくりしましたけど、僕も大人なのでその時は「自分のやっているブランドの価値を下げようなんて、一度も思ったことがありません。そう思わせてしまったんだったら残念です」って言いましたね。

そういう風に思っている人はいるんですよ。でも、それはしょうがなくて。僕はコラボをやる部分においては、バランスだと思っています。コアなマーケット向けにばっかりやっていても、お客さんや知ってくれる人も増えないじゃないですか。だから、こうやって200店舗もある「GLOBAL WORK」さんとかでやると、どれだけの人が目にしてくれるんだって話で。 それがきっかけで好きになってくれたりとか、うちの商品を買ってくれるようになることも実際にあるんですよね。それって一気にお客さんの分母が増えるので、すごく大きいんです。

僕は、どっちかと言うとマス向きにやりたいです。「マス向きにやりたい」っていうと、ちょっと語弊があるんですけど。多くの人に知ってほしくて、その方がビジネスチャンスがあると思っているので。

少数派の人たちだけを相手にしてても、そこにビジネスチャンスはそんなにないし、大きな売り上げには繋がらないじゃないですか。だけどブランディングを保つ、ブランドの価値を 下げないっていうことも、もちろん大事で。

別に「GLOBAL WORK」とやることが、僕は価値を下げるとは思っていないですけど、KYNEさんとか、ちょっと感度の高いブランドや企業さんとやることによって、そのバランスを保っているというか。これは感覚的なところなので保ててないかもしれないし、 分からないですけど。僕は少なくとも保てているのかなと思いながらやってはいます。

小柳:この頃起業から3年ぐらいだと思うんですけど、お金が全然なくて、初めて起業してて、どんな手応えと心境だったんですか。

佐藤:わりとずっと順調にきてて、3周年を迎えられてちょっとほっとしたところはあったんですけど。 3周年の時に「LOOPWHEELER(ループウィラー)」さんとやらしてもらっていて。

そこは、僕が前職の時から取引があってよくして頂いていて、知り合いだったので1年目の時からお願いしようと思えばできた環境ではあったんですけど「それは違うな」と思って三年温めていたんですよ。うちもちょっとずつ知名度が上がってきたのかなとか、ブランディングもちょっとずつでき始めて、「LOOPWHEELER(ループウィラー)」さんに迷惑がかからないかなと思うぐらいのタイミングになってきたのでお願いしました。だから結構このアイテムに関しては、僕の中で思い入れが強いですね。

小柳:そこはやっぱり佐藤さんのこだわりというか、矜持というか。コラボの話をされる際にも「相手に失礼にならないかどうか」というのは一番気にされるところなんですか。

佐藤:自分からお話しする話は、特にそれは大きいですかね。色々お話はいただくんですけど「うちにとってメリットがあるのかな」っていう話も結構多いんですよね。

相手にも何かしらメリットを与えられないと、成り立たないだろうなって思っているので。 だから基本、僕はそこを大事にしていますね。

小柳:逆に、何も考えないで人に依頼するっていうのは、やっぱり良くないですよね。

佐藤:良くないですね。そういうのってすごく分かるので。そういうのは上手くかわすんですけどね。

小柳:上手くかわすっていうのも大変なんだろうなって思いますが。

佐藤:経験ですよ。敵は作りたくないので。僕、基本的に嫌われたくないんですよ。だからあんまり強く言えないし、スタッフにもあまり怒ったりしないんですけど。ただ、僕が怒った時は超黙るんですよね。それが怖いっていう話なんですけど(笑)。

小柳:だから話をする相手も、自分のことのように感じられるっていうことなんですね。

 

>>その4へつづく

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